道を歩いていたら、困ってる人がいたけど、「見て見ぬふり」「助けない」
こういった経験をした、された。なんてことある人もいるのではないでしょうか。
そこには、どんな理由が隠されているのでしょうか?
そこで、今回は見て見ぬふりをする心理についてご紹介します。
さらに、「都会の人は冷たい」と言われるきっかけともなった一つの事件についてもご紹介します。
見て見ぬふりをする心理とは?都会の人は冷たい、助けないと言われる理由についてまとめています。
見て見ぬふりをする心理
「都会の人は困ってる人を見かけても助けない」
「周囲に対して、無関心で冷たい人達だ」
そんなイメージを持たれてしまうのは、どうしてなんでしょうか?
多くの人がいるのに、困っている人を助けないのは非常に冷たい印象がしますね。
しかし、心理学的にはむしろ、「まわりに多くの人がいるほうが、困っている人を助けなくなる」ということが分かっているのです。
そこに、「見て見ぬふりをしてしまう理由」が隠されていました。
困っている人がいても、まわりの誰もが放置していると、
「誰も助けようとしてないし、大丈夫だろう」
「自分も同じように行動しておこう」
「自分だけ目立ちたくない」
といった意識が働きます。
その結果、多くの人がいるのに、誰も助けないということになってしまうのです。
つまり、多くの人がいることで、1人1人の責任感が薄れてしまっている状態です。
これを「傍観者効果」といいます。
傍観者効果とは
「傍観者効果」は、事件や異常事態が起きても自分以外にも傍観者がいるときは、積極的に行動しようとしないことを指します。
傍観者が多ければ、多いほどこの傾向は強くなります。
実験
社会心理学者のビブ・ラタネとジョン・ダーリーによって街で発作を起こすという実験が行われたそうです。
その結果、
通行人が1人だけの時は、助けた人が約85%
これに対して
通行人が、5人以上いたとき、助けた人は約30%
だったという結果が出たのです。
つまり、目撃者の数が多いほど、助ける人は少なくなった。という結果です。
傍観者効果が提唱された事件
人を助ける心理について本格的に研究されるきっかけとなった事件があります。
その事件は、1964年にニューヨークで起こったキティ・ジェノヴィーズ事件です。
女性が、暴漢に襲われたとき、目撃者や叫び声を耳にした人が多数いたのにもい関わらず、誰も警察に通報しませんでした。
さらに、「彼女は大声で助けを求めた」という記事もありました。
しかし、誰も助けようとせず、さらに警察への通報さえしなかったのです。
彼女の叫び声で付近の住民38人が事件に気づき目撃していたにもかかわらず、です。
その結果、この女性は亡くなってしまいました。
この事件について、マスコミが「都会の人は冷たい」と大きく報道し、注目を集めました。
このことから、傍観者効果が提唱されました。
まとめ
キティ・ジェノヴィーズ事件をきっかけに、「傍観者効果」という言葉が知れ渡りました。
そして、マスコミが「都会の人は冷たい」と大きく報道したことでそういったイメージが強くなってしまったのかもしれませんね。
多くの人が女性の助ける声を聞いていたのに、誰も行動しなかったという事実。
見て見ぬふりをするという事はとても恐ろしい事です。
今回、その恐ろしさを改めて知りました。
困っている人がいたら、助ける
当たり前のことだけど、いざ!となったらパニックになってしまうかもしれない。
だけどとても、大切な事だと再認識させられました。
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