このページは、人が嘘をつく心理と嘘をつく人に多い特徴についてご紹介しています。
私たち人間は、気付かぬうちに普段多くの嘘をついています。例えば、友人から誘いを受けたけど気がのらない時もありますよね。しかし、その気持ちを正直には伝えず「その日は予定があるから」と嘘をついて断ることもあるでしょう。
これは、相手を傷つけないための嘘であり、人間関係を円滑にするためにはある程度必要なものです。
誰もが完全に正直だったら、その中はもっと殺伐とし年中もめ事が絶えない世界になっているかもしれません。
しかし、たとえ相手の事を思い悪意のない嘘であっても結果的に相手を傷つけてしまうケースだってあります。なので、なんでもかんでも嘘を言えば人間関係が上手くいくわけではないです。さらに、嘘は使いようによっては危険な武器にもなってしまいます。
犯罪やトラブルとの関わりも深く、嘘をついて利益を得る「詐欺」などはその典型です。最近では様々な「詐欺」が流行し、年々その被害額は増えているのです。こうしたことを防ぐために「嘘は悪いもの」だと教えられるのかもしれませんね。
しかし、なぜ人は嘘をついてしまうのでしょうか?そこには様々な理由が隠されてました。
そこで今回は嘘をつく人の心理について5つご紹介します。
嘘をつく人の特徴と理由についてまとめたものです。
目次
人が嘘をつく心理
「嘘」とは、本当ではないこと。
または、真実に反することをあたかも真実であるかのように言うことを指します。
こうした「ウソ」は、なぜついてしまうのでしょうか?
そこには、人間の様々な理由が隠されてました。
- 傷つかないように自分を守りたい
- 相手からよく思われたい
- 相手を傷つけないため
- 相手より優位に立ちたい
- 場を盛り上げるため
一つずつ詳しく説明していきます。
1.傷つかないように自分を守りたい
人が嘘をつく理由として多いのが「自分自身が傷つかないように守りたい」という理由からです。
たとえば、何か失敗してしまった時など「○○という、仕方ない理由があったから失敗してしまった。だから自分のせいではない。」など説明する時があります。
遅刻をしてしまった時や約束を破った時なども、やむを得ない理由があったため、そういう結果になってしまった。
こういった場合は、自己防衛の心理が働いている事が多いです。
嘘をつくことで自分自身が傷つくことから守っているわけですね。
この嘘は、誰もが一度はついたことがあるパターンかもしれません。
2.相手からよく思われたい
相手と話を合わせることで、相手からよく思われたい。嫌われたくないという心理が働いています。
たとえば、このドラマ面白いよね?と言われて実際は、全然面白くないと思っていても「そうだね!○○のシーンなんて面白かったね」など、相手の話に合わせるなどです。
これは「人から嫌われたくない」「相手によく思われたい」という心理からついてしまう嘘のパターンであり八方美人のタイプがついてしまいがちな嘘とも言えます。
※相手からよく思われたいという気持ちがある人は「お世辞ばかり言う人」の原因の一つにも当てはまります。
お世辞ばかり言う人の心理とは?迎合行動の4パターン3.相手を傷つけないため
これは、いわゆる「優しい嘘」と呼ばれるもので相手を傷つけないためにつく嘘です。
正直にはっきりと言ってしまうと相手を傷つけてしまう場合もあるので、オブラートに包んで伝えたり、嘘をつく場合などです。
何歳に見える?なんて質問されたら若めに答えてしまうこともありますよね。
お世辞とちょっと似た部分もありますが、相手の事を思ってつく嘘なので優しい嘘といえますね。
他には、デートに誘われた時にはっきりと「あなたとはデートしたくない」と伝えてしまっては相手を傷つけてしまう可能性もあるので、その日は予定があると言ったり、忙しいからと伝えることもあるでしょう。
これは相手を傷つけないためでもあり、自分自身が相手から嫌われたくないという気持ちも少しこもっています。
4.相手より優位に立ちたい。自分をよく見せたい
この嘘のパターンは、実際の自分よりも大きく見せ、相手より優位に立ちたいという心理が働いたためについてしまう嘘です。
自分は、あなたよりも上に居るという事をアピールしてくるのです。
例えば、学歴や経歴などを詐称する場合は、こういった心理が働いている場合があります。
他の例ですと、実際はあまりモテないのに「○○君から、アプローチされて困ってるんだよねー」「超、異性からモテて対応に困ってるの」などです。
その他は、芸能人や著名人と知り合いだ。などと虚偽の話をする場合などもこの心理が働いている場合があります。
この嘘をつく人に多いタイプは「人を支配したい」「グループの中心やリーダーになりたい」と思っている人に多いようです。
※これは、「【知り合い自慢】をする人の心理!知り合いが多い?有名人?」でも紹介しているように高い評価を得ている人と自分を関連付けて自分の評価を高めたいという気持ちの表れでもあります。
【知り合い自慢】をする人の心理!知り合いが多い?有名人?5.その場を盛り上げるための嘘
面白い話をして、その場を盛り上げてくれる「盛り上げ役」が陥りがちな嘘のパターンです。
実際に体験したちょっと面白い話を話しているうちに、その場を盛り上げるために話を盛って話してしまう。という事もありますよね。
相手が笑ってくれれば、くれるほど嬉しくなってどんどん、話に尾ひれがつき話してしまう。
話をどんどん大袈裟に話してしまう。大袈裟なことを言うことを「法螺を吹く」といいますよね。
そのような人は「ほら吹き」とも呼ばれます。
話上手の方や話好きな人は、一度は経験があるかもしれません。
嘘をつく様々な理由の研究
次に、嘘についての面白い研究があるので紹介します。
普段の対人関係で、どのような嘘をついた経験があるか調査した研究があります。これは、社会人や大学生を対象に、どのような嘘をついた経験があるか調査し、「よくある嘘を12のパターンにまとめた研究」です。
上記で紹介したものと重なる部分もありますが、嘘と一概に言ってもこんなにもパターンがあるのか!と思ったので紹介したいと思います。
- 予防線
- 合理化
- その場逃れ
- 利害
- 甘え
- 罪隠し
- 能力・経歴
- 見栄
- 思いやり
- ひっかけ
- 勘違い
- 約束やぶり
人との約束を何か理由をつけて断るなど、予想されるトラブルをあらかじめ避けようとする嘘
守れなかった約束や遅れた理由など、終わったことを責められた時につく、言い訳や口実となる嘘
していないことを「した」と言うなどその場を逃れるために、とっさについた一時しのぎの嘘
金銭が絡んでいる場合など、自分が得をする・有利になったりする形にもっていこうとする嘘
自分を理解してもらう・味方になってほしいという意図を含んだ嘘
自分のしてしまった悪いことを隠すための嘘
自分の能力や経歴を高く、あるいは低くいうことで、自分の立場を優位にするための嘘
恋人がいないのに「いる」と言うなど、自分をよく見せる・目立たせるためにつく嘘
真実を話すと相手が傷つくと思われるとき、それを避けようと相手を傷つけないためにつく嘘
本当のことが分かっても笑ってすませられるような冗談・からかいなどの類の嘘
言ったことが間違ってたなど、知識不足や勘違いなどによって結果的に嘘になってしまう嘘
約束を守れず、嘘になってしまったもの。意図的とは限らない。
参考:渋谷昌三「対人関係におけるdeception(嘘)」(山梨医科大学紀要 第10巻より)
嘘をつく人の主な特徴
様々な嘘をついてしまう理由についてご紹介しましたが、こういった嘘をつく人には主に4つの特徴があります。
こういった人たちは嘘をついてしまう傾向があります。
- 自分に自信がない
- 常に誰かに自分を認めてもらいたい
- 常に誰かに気にされたい
- 現実逃避をしたい
1.自分に自信がない人
自分に自信がない人は、劣等感から嘘をついてしまう場合があります。
自分に自信がないため、他人と比べてしまい自分をよく見せたいという心理が働いているようです。
劣等感がある人の他の特徴
自分に自信がない人や劣等感がある人は「他人の不幸を喜ぶ」や「言い訳をよくする」という面であったり「傷付きやすい」という特徴もあります。
その他には「カメラや写真を嫌がる」という傾向や「ヒーローや芸能人に憧れる」という傾向もあります。
詳しくは下記を参考にしてください。
・【カメラや写真を嫌がる人の心理・理由】カメラや写真が嫌いな人はなぜ?
・ヒーローや芸能人に憧れる心理!ヒーローはなぜ憧れの対象になるのか?
2.自分を認めてもらいたい人
自分を認めてもらいたいという気持ちが強い人にも自分をよく見せたいという心理から嘘をついてしまう事があります。
これは、他人から認められたいという欲求が大きすぎるため自分の行動が追い付かなくなった時など嘘をついてしまう事があります。
嘘をつくことで他人からの評価を得ようとしてしまうのです。
人から認められたいという気持ちを持っている人は、「でも、だけど」と横やりを入れるという原因の一つでもあります。
また自分を認めてもらいたい、他人からの評価を得たいという人は「知り合いの自慢」をして自分の評価を得ようとする人もいます。
3.誰かに気にされたいと思っている人
誰かに気にされたいと思っている人は、自分に意識を向けるために様々な嘘をつく傾向があります。
人からの注目を集めるために「ウソ」をついてしまうのです。
4.現実逃避をしたい人
最後に現実逃避をしたい人に関しては、何かを始めた時に最後まで成し遂げることが出来なかった時にその現実を受け止めず、かじった程度の知識で成功した自分を空想の中で作り上げてしまいます。
それを空想の中だけで留めておけば良いですが、現実世界にも出してしまうと虚偽になってしまいます。
嘘をつくとストレスがたまる
嘘をつくと自分では気づかないうちに、ストレスが溜まってるということもあります。
嘘をつくことが多い人は注意が必要です。ウソをつくことで、知らない間にストレスをため込んでいます。
嘘は、脳に負担をかけてストレスを引き起こすと言われているのです。
嘘をつくには、かなりの労力が必要になります。
真実を話す時は、ただ事実を思い出せばいいだけですが虚偽の話をする時は隠したいことについて考えてその反対のことをそれらしく作り説得力があるように演じる必要があるからです。
そして、その偽りの話をそのあともずっと覚えておかないといけないのです。
なので、嘘をつかないほうが心身ともに健康になるというデータもあります。
嘘も方便とは言いますがたくさん嘘をつかなくても相手とうまくやっていけるようなコミュニケーション力も大切ですね。
他人から「嘘つき」と思われるだけでなくストレスをため込んでしまっている可能性もあるのでこういった人は注意が必要です。
嘘をつくのは成長の証
ウソをつく理由をご紹介してきましたが嘘は成長の証ともいえます。
嘘をつくというのは、子供にとっては成長の証でもあります。
自立心が芽生え、複雑な思考ができるようになって初めて嘘がつけるようになるのです。
嘘をつく心理はみんな持っている
今回は、嘘をつく人の心理と特徴についてご紹介しました。
嘘をついてしまう背景には、このような理由が隠されてました。
- 傷つかないように自分を守りたい
- 相手からよく思われたい
- 相手を傷つけないため
- 相手より優位に立ちたい
- 場を盛り上げるため
上記のような心理は誰でも持っているもので誰しも一度は経験があるかもしれません。
嘘の中でも相手のことを思いつく優しいウソもあります。
それは、人間関係を築いていくためにはある程度は必要なのかもしれません。
しかし、自己防衛や自分をよく見せたいという気持ちの作り話やウソはトラブルの元になってしまう可能性もあります。
どんな理由があっても嘘ばかりついてると相手からの信頼を失う事だってあります。
どんな理由があってもほどほどに!
※嘘を見抜くにはどうすればいいの?「嘘をついている人がしがちな「動作やしぐさ」のまとめ」を参考にしてください。